ファクタリングのトラブル 悪徳業者と掛目の扱い
最終更新日 2021年3月11日
監修・著者 ファクタリングの業界人 浜田 利行
ファクタリングで良くあるトラブル絶対安心ではない
ファクタリングは便利な売掛金現金化方法として注目されています。言い方を変えれば便利な資金調達方法となります。
多くの場合債権売却による保証義務が発生しませんし、信用情報にも傷はつきません。また審査も簡単なため敷居の低いマネージメントとなります。
しかしファクタリングで全くトラブルが起きないわけではありません。ファクタリング現場でよくあるトラブルの例やその対処策について概説します。
よくあるトラブル1:悪徳ファクタリング業者にあたる
これはファクタリングそのもののトラブルではなく、あくまで悪徳業者に関しての注意点です。どんな分野でも悪意のある人間というのはいるものです。
ファクタリングは通常1%~30%くらいの手数料率が相場です。信用性や額面、プロセスの内容によって変わります。しかしこの相場を大きく外れるような手数料を請求してくる業者も存在します。もともとファクタリングは売掛金を早期に現金化したいという企業側の思惑にそった制度です。
そのため企業としては現金化を急ぐために手数料に関しての契約をあまり意識しない可能性もあります。必ず契約時に内容を確認する事が大切です。契約書を作らないなどはもってのほかです。
よくあるトラブル2:掛目の扱いに注意
ファクタリングでは手数料の他に掛目についても注意が必要です。掛目はファクタリング会社が買い取ってくれる債権の割合のことです。1,000万円の債権で掛目が8割なら800万円が買い取り額ということになります。
残りの200万円については、ファクタリング会社が追うリスクを踏まえて保留とします。支払い企業からの入金が行われたならその部分を売却企業に返還します。もちろん手数料は引かれます。
この掛目分の扱いについて、それが返却されるのか、契約にコミコミなのかといった内容を確認しないと、後で返却トラブルが発生します。
よくあるトラブル3:譲渡契約の残りがあった
ファクタリングをする場合は債権保有会社(ファクタリング利用会社)はファクタリング会社に対して債権を倍脚します。その債権はファクタリング会社のものとなり、支払いをする会社のお金は最終的にファクタリング会社にまわるようになります。
仮に支払い不履行の状態になった場合でも、債権を売却した会社に保証義務は発生しません。しかしながら契約において、トラブルを事前に予測し、もし債権の回収ができなかった時に、将来発生する売上債権から回収できるように譲渡登記が行われることがあります。
その場合はその登記が存続したままになっていて、ある時点でファクタリングの契約をしようとしても無理になることが考えられます。そのため過去の登記情報については注意が必要です。
監修・著者 ファクタリングの業界人 浜田 利行
長年、金融業界で働いています。現在では、ファクタリング業者として従事しているので、業務経験を生かして基礎知識や業者について解説しています。